荒井良二の絵本を手に取った時、この人は大人のボディスーツを着た子どもに違いないと思ったのは、私だけでしょうか。絶対背中にチャックがあるはず。
「のりたいひと てをあげて
どうぞ どうぞ ゾウバスはしる」
のびのびぐんぐんと、時にはぐるぐるふざける筆跡。真っ直ぐで飾らない、ちょっとへんてこな言葉。読んでいると、大人のネジが一本外れて「わーい!」と手を上げて走り出したくなるのです。
メロンパンも然り。
イチジクとくるみのカンパーニュとか、洋梨のデニッシュとか、子どもは選ばないパンに手が伸びるようになってから、久しぶりに食べるメロンパン。「こげなのメロンやなか!」とこっそりツッコミながらも、まんまるなフォルムと、カリカリふんわり食感に「わーい!」と手を上げたくなっちゃうのです。
お知らせ
心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。