台湾に学ぶ、健やかに暮らすための近道

不調のはじまり、まずはどうする?ー台湾に学ぶ、健やかに暮らすための近道(前編)

「マッサージ」「セラピー」と聞くと、自分へのご褒美だったり、ラグジュアリーな非日常のイメージをもっていませんか?はたまた、ちょっとスピリチュアルな印象もあったりと、普段の暮らしとは距離のある存在かもしれません。

かくいう私も、これまでマッサージとは縁遠い生活を送っていて、そこにお金をかけるのはなあ、なんて渋ったりもしていました。

過去の特集「心のために、身体を整えることから始めよう」でもご登場いただいた、セラピストの山辺まきさんは、台湾のサロンで働いていた経験の持ち主でもあり、今回の特集では、日本と比べるともっと日常寄りな台湾のマッサージ事情について教えてくれました。

体のメンテナンスとして、あるいは不調時の薬を飲む前の手段として、マッサージやセラピーが当たり前に暮らしに溶けこんでいる文化をもつ台湾。山辺さんのお話を通して、心も体も健やかに暮らすヒントをみつけていきたいと思います。

不調を感じたらマッサージへ

山辺さんが台湾で暮らしたのは約4年前。何度も足を運んで現地でマッサージを受けながら、働らき口を探していたとのこと。縁あって「テテセラピー」という、台湾人と日本人のご夫婦が営むサロンで働くことが決まります。

テテセラピーは、観光地ではなく住宅街に位置し、現地の人が数多く通うような暮らしに根付いているサロンです。施術メニューは、アロマセラピー、整体、台湾式リフレクソロジー、レイキ、シンギングボールなど、「心身合一」の考えに基づいた心と体の健康を保つセラピーを提供しています。

訪れる人の目的はさまざま。日常的にメンテナンスに来る人もいれば、仕事のストレスで眠れない人、頭痛といった不調を訴える人など。サラリーマンもいれば、若い女性もいたり、利用者も多様な層が集まります。

中でも、少し不調になってきたと自分で感じたからセラピーに行こう、と思ってやってくる人が多かったと山辺さんは振り返ります。

「自分のご褒美や、誰かからのプレゼントで来る人は少なくて、もっと日常的なものとして、薬を飲む前の自分を調整する手段として考えているのが、日本との違いのように感じました。」

不調時の引き出しはたくさん

台湾の家庭では、家族が体調を崩した時、西洋医学と中医学の医院のどちらで診てもらうかを考えるといいます。町中には漢方薬局も多く、今も変わらず繁盛しているのだそう。

自分や家族の体調を見極めて、漢方を飲むか、薬をもらうか、まずはマッサージに行くか、引き出しを複数もっているのです。

引き出しの一つ「かっさ」についても、山辺さんは教えてくれました。お母さんが子どもに手当てしたりと家庭内でごく自然に行われていて、特に熱の出始めなどに効果があると言われている民間療法です。山辺さんが現在開いているサロンでは、伝統的な道具ではなく、跡に残らないよう開発された道具を使って提供しているとのこと。

「伝統的には、ヘラのような道具を使って、体内の滞りをスムーズにしたり、老廃物や過剰な熱を外に出すんです。私は肩こりがひどい時に体験したのですが、はじめは頭に電気が走るくらい痛くて。でもそれが流れていくと痛くなくなるんです。台湾を歩いていると、町中でも首の後ろに青あざのようなものを付けている人をよく見かけて、『あ、かっさやったんだな』ってわかりますよ。」

まずは自分でできることを試そう

不調のはじまりに思い浮かぶ一つの選択肢として、マッサージが当たり前に存在している台湾の暮らし。お茶の飲み方、漢方の取り入れ方、かっさという伝統療法。それらは私たちの暮らしにはあまり馴染みのないものですが、台湾の人の暮らしに触れながら、山辺さんは考え方が変わってきたといいます。

「体調が悪くなった時、病院に行く前に、まずは自分でできることを試してみようと思うようになりました。普段から自分の体や心の状態を観察する癖がついたことで、ワンステップ前に不調に気づけるようになりました。家族の体調も悪そうだったら、なにかする?って一緒に考えています。」

体の声に耳を傾けて、まずは自分の頭で解決方法を考える。それは、自分の体ともっと仲良くなるための近道なのかもしれません。

後編は、よりよいセラピーを受けるために台湾の人が当たり前にやっていること等、引き続き日本と異なるマッサージ事情をご紹介します。どうぞお楽しみに!


※山辺さんは現在育児中のため、サロンの予約枠が限られているとのことです。ご予約希望の方は個別にご相談ください。

◎予約/問い合わせ
E-mail:[email protected]
Instagram:la_presence

この特集の目次

  1. 不調のはじまり、まずはどうする?ー台湾に学ぶ、健やかに暮らすための近道(前編)
  2. 必要なのは、我慢よりも“正直さ”?ー台湾に学ぶ、健やかに暮らすための近道(後編)

お知らせ

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この記事を書いた人:

「よりそう。」館長。時として編集長に変身し、ライターとして駆け回り、ドローンも飛ばしちゃいながら、訪れるみなさんをお出迎えします。好きな本は、稲葉俊郎『いのちを呼びさますもの』。好きな料理は、さつまいも料理。
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