こんにちは、館長の大浦です。
よりそう。から生まれたはじめての本、小谷ふみさんの著書『よりそうつきひ』が発売してから約3ヶ月が経ちました。購入した方の大切な人へ『よりそうつきひ』を一冊プレゼントする期間限定企画「つなごう言葉のともしびキャペーン」を通して、誰かの手から手へと渡っていく姿を日々目の当たりにしています。
まるで新しい命が吹き込まれたかのように本に思いが映り、世界で一つだけの贈り物となり、誰かの手へ渡っていく。その事実を知るだけで、正直もう鳥肌が立つというか、心が震えるばかりです。
今日は、キャンペーンを通じて、当サイトで紹介することにご承諾いただいたメッセージをお届けします。
映画のワンシーンのようなメッセージ
遠く離れた逢ったことのない あなた。
出逢ってからは、十数年…
まさかこんなに続くとは…
でも、距離なんて関係なく いつも近くに感じています。
その時がきたら、逢いましょう。
目印は、真っ赤な腕時計。
まるで映画のワンシーンのようなメッセージをいただきました。当事者にしかわからない約束に妄想が掻き立てられると同時に、くすぐったいほどに胸が締め付けられてしまいました。きっと誰しも、大切な誰かと「二人だけがわかる約束」ってしたことあるんじゃないでしょうか。
中高時代の忘れられない思い出
私が思い出したのは、女子校を謳歌していた中高時代のこと。オーケストラ部での忘れられない約束があります。
演目はたしかドヴォルザークのスラヴ舞曲。あるフレーズの時、一瞬だけ向かいのヴァイオリン席(私はチェロでした)に座る友人と目を合わす、という約束をしたことがあります。そのフレーズを奏でるヴァイオリンパートがたまらなく好きで、彼女に何度も弾いて弾いてと頼んで一緒に練習しているうちに、その瞬間は目を合わせよう、という決まりにいつしかなったのです。
今振り返ると、これが異性だったら完璧に甘酸っぱい恋ですね〜(笑)。目を合わせてふふふと笑った友人の顔が、今でも鮮明に記憶に残っています。
人と人との関係性は常に生もの
人と人との関係性は常に生もののように思います。鍵をつけることも鎖でつなぐこともできないし、放っておけば腐っていくし、枯れてなくなることだってある。
関係性が果たして良好なのか、数字で測ることもできないし、物的証拠もない。手に触れることもできないし、目で確認することもできない。
だからこそ「二人だけがわかる約束」が胸にあったならば、ひとりぼっちの時も空を仰げるんじゃないかなあ、と。
伝えたいのは「あなたのことをおもってます」
人はあらゆる手段で関係性を確認したがる生き物のような気がします。年賀状だってお歳暮だってそう。SNSの「いいね!」だって、LINEのスタンプだってそう。「あなたのことをおもってます」。そのメッセージを意識的にも無意識にも発信し続けながら、日々を生きている。
ときには、関係性の不確かさの闇に飲み込まれて、必要以上に不安に苛まれることさえもあります。冷静に見ると、完全なる個人の脳内での妄想でしかないんですけどね。でもその闇を懐中電灯で照らしてみると、奥底にはたぶん「あなたをのことをおもってます」というシンプルな答えしかないような気がするのです。それがこんがらがってしまっただけ。
人が人を思う。ただそれだけなのに。
もうそれだけで十分なのに。
ひょっこり出てきた「思う」気持ちを形に
『よりそうつきひ』では、人が人を思う気持ちが揺り動かされるショートエッセイが束ねられています。物語自体は著者の物語なのですが、読み手の心にいる大切な誰かの存在が映し出される鏡のようなものが潜んでいるんです。
だからこそ、物語に触れてひょっこり出てきた「思う」気持ちを形にできるようにと、このキャンペーンを企画しました。
ろうそくの火を分けるように、人の思いが伝ってく「つなごう言葉のともしびキャンペーン」は6月末まで実施しています。
ご興味がある方はぜひこちらのページをご覧くださいね。私たちの元に届いたメッセージはまたご紹介していきたいと思っています。
お知らせ
心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。