え、これなに!?
出会いは、頭を殴られるほどの衝撃でした。
「全能の愛はもう芽生えていますが、まだ燃え上がってはいず、燃え尽くす炎ではなくて、ほのかにちりゆく香りなのです。」
エレガントな浮遊感、狂気的な無邪気さ。正直、読んでいてもよくわからない。あらすじなんて語れるわけもない。なのに心が溺れるほど掴まれてしまう言葉が散りばめられている、ドイツ人作家ノヴァーリスの「青い花」。
ん、美味しいのか?…美味しいのか!
同い年なのに落ち着いていて、選ぶ言葉ひとつにもセンスのある友人に勧められて、はじめて飲んだカモミールティー。知らなかった大人の扉を一つ手にしたような高揚感があって、白い小さな花びらが揺らめくポットを眺めながら、ふふふと笑った胸の中。
難解な物語と味に、心を揺り動かされた自分がいる。その事実がきっと嬉しかったんでしょうね。きっと誰にでもある、大人への階段を一歩のぼった瞬間のこと。
お知らせ
心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。