food letters 〜料理家・cayocoさんの食を巡る旅〜

ついに最後の旅。冬は島根県雲南市へ!料理家cayocoさんの、食と人をつなぐ旅「food letters」第四弾スタート!

こんにちは、店長の大浦です。

料理家cayocoさんが、春夏秋冬の旅を通じて人・食材・土地と出会い、その土地の保存食をバトンに人と食をつないでいくプロジェクト「food letters」。これまでたくさんの方に見守っていただいてきたこの旅も、ついにラスト!冬の旅に向かっていよいよ動き出しました。

今回の行き先は、島根県雲南市。なぜこの場所を訪れることになったのか、旅の予定などを今日はご紹介したいと思います。

きっかけは一人のお医者さん

なぜ雲南市を訪ねるのか。その背景には、実はfood lettersの企画の生みの親でもある一人のお医者さんの存在があります。通称「よーよーさん」と呼ばれている、密山要用(みつやま としちか)さんです。

よーよーさんは、雲南市の中でもより山奥に入った大東町久野地区という人口約600人の小さな地区で、「医療専門職と住民が一緒になったまちづくり・健康づくり」をテーマに研究をされています。この地に導かれた理由をこう教えてくれました。

「大学院で『医療専門職の人たちが、街に住んでいる人たちと一緒になって、ちょっと健康で幸せになれるような活動を生み出していくためにはどうすればよいのだろう?』 そんなことを考えていた時に、恩師の紹介で島根県雲南市でコミュニティナースと称して活動している方たちと出会いました。

住民と食品の開発をしたり、学生と一緒にまちの「いいとこ」を探し歩く合宿を企画したり。従来の看護師の枠にとらわれず、けれども確かに関わる人たちを笑顔にしている彼らの活動に触れて、これだ!と思いました。

それ以来、研究という形で、雲南市でコミュニティナースと住民の方々の間で起きている様々な出来事を調査するため、雲南を訪れるようになりました。」

food lettersの出発点

普段は東京の西荻窪で暮らすよーよーさんは、cayocoさんが今年の夏まで働いていた「ていねいに、」の常連さんでもあります。研究を通して出会った雲南市をはじめとした、地方の素晴らしい食材を使ってcayocoさんに料理をつくってほしいという思いから、一つの企画を持ちかけました。

それは、1年前の秋のこと。cayocoさんから私の元へ届いたメールにはこう記されています。

「よーよーさんの企画は、私が地方で、その場にある食材で保存食を作る。その保存食をもって次の場所へ移動し、その場所で保存食とその土地のものとコラボさせた料理を作りながら旅をする。

もちろん、私はふたつ返事です!料理をしながら、旅をするのは私の夢でもあったんです。
私はこの企画をひそかに、food letter と名付けました。」

これがfood lettersの出発点です。この後すぐに私は東京へ向かい、cayocoさんとよーよーさんにお会いして、春夏秋冬の旅をレシピ本として出版するプロジェクトへと動き出しました。

保存食づくりを学びながら

そんなプロジェクトの生みの親でもある人物がナビゲーターとしてつないでくれるのは、Iターンで雲南市にやってきた、自給自足の生活を実直に続けているという妹尾(せのお)さん家族。

無農薬の野菜を作りながら、薪を使って料理をしたりお風呂を沸かすような暮らしをされている妹尾さん家族と共に生活し、自然や心、身体と向き合うような時間を過ごします。この土地の厳しい冬を乗り越えるために大切な保存食づくりについても学ばせていただく予定です。

春の旅からバトンは始まっていた

実は妹尾さんの保存食、food lettersの第一弾春の旅で登場しています。旅のはじまり、よーよーさんを通して受け取った妹尾さんの保存食を手にしたcayocoさんは、福岡県にある小さな港町、津屋崎の野菜と一緒にごはんをつくりました。

春の福岡、夏の小豆島、秋の長野。バトンは巡りに巡って、冬の島根へ。cayocoさんはこれまでの旅で出会ったたくさんの人の心と、秋の実りがぎゅっと詰まった保存食を胸に最後の旅へと向かいます。

山ごもりの格好で、いざ出発!

今回もこれまで同様に旅の様子をTwitter中継でお届けする予定です。当店のTwitterアカウントにて、「#foodletters」というハッシュタグを付け、本日より投稿が始まっています。ぜひこちらも楽しみに追いかけてみてくださいね。

旅の打ち合わせでは「山ごもりの格好でいきましょう。」とのこと(どんだけ寒いのか!?ドキドキ)。いったいどんな風景が待っているのか、どんな出会いが待っているのか。最後の旅へ、いざ出発です!!

写真提供:密山要用

この特集の目次

  1. 西荻窪で優しいごはんを作るcayocoさんの、春夏秋冬の旅とレシピを本にするプロジェクトが始まります!
  2. 料理家cayocoさんのポートランドの旅から見える、心も町も動かす食の力
  3. cayocoさんがポートランドで出会った、つくる人の「好き」が伝わってくるごはん。
  4. ポートランドの旅のおすそ分け。シンプルなのに美味しいホットパンプキンディップの作り方。
  5. 「food letters」のはじまりの物語。私たちが旅へ出て、本をつくる理由。
  6. 旅と本のイメージを膨らませる「food letters」のフライヤーができました!
  7. 旅先から届く絵葉書が、ポストに入っていた時の気持ちを。food lettersのInstagram。
  8. 旅を実況中継中!food letters第一弾、津屋崎の旅の様子をお届けします。
  9. food letters第一弾、人との出会いを味わう、津屋崎の旅が始まりました!
  10. 心が大きく踊る、彩り豊かな料理家cayocoさんのごはん
  11. 料理家cayocoさんの旅の原点、ポーランドの自然体な生き方から学んだこととは。
  12. 料理家cayocoさんのレシピ本を作る旅・food letters、春の旅の速報をお届けします!
  13. どんな本とお便りが届くの?クラウドファンディングで応援してくださる方に届けたいもの。
  14. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅 第1話「かわいい」と感じる目と心。そこにはいつだって愛がある。
  15. 人と同じように野菜に対しても、心を大切に置くこと。
  16. 旅先で心に沁み渡る、一日が穏やかに終わることの尊さ。
  17. 知らないって寂しい。知るって嬉しい。だから人は優しくなれる。
  18. 旅の偶然の出会いは、なんでもない風景を忘れることのない景色へと変える力がある。
  19. 料理はこんなにも人の心を伝えてくれる。
  20. 人が人を想う心は見えないけれど、本当はこの世界に溢れている。
  21. 夏は小豆島へ!料理家cayocoさんの、食と人をつなぐ旅「food letters」第二弾が始まります!
  22. 醤油、塩、オリーブオイルの生産地へ。料理家cayocoさんの小豆島の旅のルートをご紹介。
  23. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅・food letters、小豆島の旅の速報をお届けします!
  24. 春夏秋冬の旅のお便りが届く、レシピ本「food letters」の特典付き先行予約が始まりました!
  25. 秋は長野県へ!料理家cayocoさんの、食と人をつなぐ旅「food letters」第三弾が始まります!
  26. 料理家cayocoさんが旅の出会いを届けるfood letters食堂で、旅の追体験を!
  27. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅・food letters、長野の旅の速報をお届けします!
  28. 旅のはじまりは、国内初有機オリーブ栽培に成功した小豆島・山田オリーブ園へ
  29. 観光客の声で美味しくなる?ヤマロク醤油の常識の真逆をいく醤油づくり
  30. 「みてやらないかん」の心が映る、塩屋波花堂の驚くほど優しい味の塩
  31. 「自分が幸せにできる人は見渡せるくらいでいい」長野県佐久の星の坊主さま・こじょうゆうやさんに聞いた、ごきげんな畑の話
  32. 集まった人たちの心でとびっきり美味しいごはんが生まれる。阿智村の森田自然農園の「茗荷祭り」。
  33. ついに最後の旅。冬は島根県雲南市へ!料理家cayocoさんの、食と人をつなぐ旅「food letters」第四弾スタート!
  34. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅・food letters、島根の旅の速報をお届けします!
  35. できるかできないかではなく、やるかやらないか。島根県雲南市の妹尾さん家族と過ごす、自給自足の暮らし体験。
  36. 生きる力ってなんだろう。旅で始まったデトックスが教えてくれる、心と体の声。
  37. 料理の心の置き場所を変えた、鶏を絞めるワークショップで学んだ、命のつながり。
  38. 食の根源を教えてもらった島根県雲南市の旅。人も、ごはんも、巡り続けるエネルギー。
  39. レシピ本「food letters」に関する大事なお知らせ
  40. 書籍「food letters」制作・出版元変更のお知らせ

お知らせ

心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。

この記事を書いた人:

「よりそう。」館長。時として編集長に変身し、ライターとして駆け回り、ドローンも飛ばしちゃいながら、訪れるみなさんをお出迎えします。好きな本は、稲葉俊郎『いのちを呼びさますもの』。好きな料理は、さつまいも料理。
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