夏 小豆島の旅

「みてやらないかん」の心が映る、塩屋波花堂の驚くほど優しい味の塩

料理家cayocoさんが、春夏秋冬の旅を通じて人・食材・土地と出会い、その土地の保存食をバトンに食と人をつなぐプロジェクト「food letters」。夏の小豆島への旅の記事です。前回の記事はこちらからご覧ください。

塩に対する心の向け方がガラリと変わる

旅の三日目。オリーブオイル、醤油の生まれる場所を知った私たちは、三つ目の調味料に出会うために、島の賑わいを見せる通りを越えて、ひっそりとした奥地へ車を走らせます。

私たちを出迎えてくださったのは、塩屋波花堂の蒲敏樹さん、和美さん夫妻。スキューバダイビングのウエットスーツのような格好をした敏樹さん。なぜその格好なのかは、窯に案内していただくとすぐさまわかります。

薪でぐつぐつと海水を沸かす窯の目の前に立つと、どっと汗が吹き出てぐっしょりと重く肌に張り付く洋服たち。夏は5~6キロ痩せてしまうというほど過酷な塩づくりの環境を目の前に、これまでの塩に対する心の向け方がガラリと変わります。

目指すは、かみさんに「うまい」って言わせる

蒲さん夫妻が小豆島へ移り住んだのは、元々は農業を始めようと思ったからとのこと。けれどもいざ島に足を踏み入れたところ、海のない岐阜県で育った敏樹さんは、ふとあることを思い出したそうです。それは、小学校5年生の夏休みの自由研究で試した塩づくりのこと。

「この場所で、塩をつくりたい」。そう決めた蒲さんは独学で塩づくりの道へ進みます。「始めたきっかけは、夫のひらめきのようなものなんです」と笑う和美さん。その和美さんに出来上がった塩を差し出して言われた言葉は「おいしいない」。

「かみさんに『うまい』って言わせるか~!と思ったんです」と照れくさそうに笑う敏樹さん。お二人の言葉からは、寄り添う心が見えてきて、なんとも優しい気持ちに。「かみさんの笑顔のために」。波花堂の御塩(ごえん)のパンフレットにはそんな言葉が綴られています。

「一升瓶作戦」で独学の道を歩む

ここ数年でご当地塩ブームが各地で広がる中、小豆島の蒲さんのつくる塩のこだわりは「海の味を全部入りにしたい」との想い。小豆島が位置する瀬戸内海は、太平洋と日本海とは異なり、穏やかな海なので海水が滞留しやすく塩気が濃厚な流れとのこと。

そんな環境で始まった塩づくりは、完全なる独学の世界。なかなか目指したい味に届かず失敗が続くと、人付き合いが苦手な敏樹さんは意を決して知人に紹介してもらった塩職人の元へ学びに行きます。

「本来ならば、弟子について学んだりするんでしょうけど、この人はそういうことができない性格で、一升瓶もって一晩で聞いてきたんです」。その「一升瓶作戦」を二度ほど繰り返したある時「よし!」と帰ってきた敏樹さん。

塩づくりの素人と玄人の違いは、海水を濃縮する設備があるかどうかでわかると、塩田の構造を改善し、早いペースで海水の濃度を高めることに成功。窯の構造も学び、現在の形が出来上がりました。

「自分で失敗したことは忘れないから」

「独学は大変ですよね」と思わずため息交じりに聞いてみると「自分で失敗したことは忘れないから」と力強く答える敏樹さん。室温45度、湿度80%の環境で窯を10~12時間ほど見守る本炊きと呼ばれる作業も、丁寧に不純物やカルシウムを取り除いていく地道な作業も、決して辛いとは思わせない、まっすぐな眼差し。

小豆島はその昔、塩田があり塩づくりが栄えていた歴史をもつ場所。けれど敏樹さんはその事実を知らずスタートし、今では「島の塩の歴史を復活させた人物」を言われるほどに。

「復活させたなんて、おこがましい」。そう首を振る敏樹さんはこう続けます。「昔の下地があったおかげで受け入れてもらえたり、塩の歴史に支えられているんです。」まっすぐな眼差しは、相変わらず一ミリたりともブレません。

心が洗われるような、優しい光に包まれる場所

窯の見学を終えた後は、息が切れるほど急な坂道を登った高台のお家へ移動。広い庭では、野菜づくりはもちろんのこと、麦や米づくりもしているとのこと。ミツバチの巣箱や鶏舎があったり、柿や栗といった果樹も数え切れないほど並びます。

遠くに見えるのは穏やかな瀬戸内海。ここにいるだけで心が洗われるような、優しい光に包まれる場所。気持ち良く昼寝をする犬の横を通り抜けお家にお邪魔します。これから台所をお借りしてお昼ごはんの支度に取り掛かります。

「なるべく塩でやってみたいと思います。」

エプロンをキュッと結びながら、キリッとした表情に変わったcayocoさん。さあ、どんなごはんができあがるのでしょう。まだかまだかとお母さんの台所を覗く、子どもの頃の気持ちの蓋がパッと開いたような。なんだか懐かしくて待ち遠しくてたまりません。

手間をかけるとその価値がわかる

今日のメニューはトマトと橙塩のカルパッチョ、塩むすび、焼き茄子とオクラのフリッター、胡瓜とオクラのマリネ、ビーツのポタージュ。

「調理の工程を工夫すれば、塩だけでも成立するかなと思い作ってみました。」

テーブルの上には、春の旅で訪ねた福岡県の津屋崎で作った橙の皮を干したものと塩をすり合わせた、だいだい塩も置かれています。食を通してバトンをつなぐ、food letters特製塩。こういったブレンド塩はやらないんですか、との質問に和美さんはこう答えます。

「ごま塩はすり鉢の擦りたてが一番美味しいんです。細かくパウダー状になると味わいが違って。それは自分で作った方が絶対美味しい。『買ってすむ』ではなく、手間をかけるとその価値がわかるからそれぞれのお家でやってほしいなと思います。」

「塩にも顔が浮かぶようになりました。」

買うものは大豆製品と酒類くらいという蒲さんご夫妻の生活は、ほぼ自給自足。ご近所さんから大量のいわしを受け取った時は、自家製ナンプラーを仕込んだこともあるとか。おむすびのお米も蒲さんたちの田んぼのお米です。

「なんでも買って当たり前の時はわからなかった『そうなんや』って気づいたことがいくつもあります。」和美さんはそう加えます。

私たちにとって、塩は買って当たり前。けれどもcayocoさんいわく「お料理は塩がないと成立しない」、いわば料理の要。そんな塩が出来上がるまでの過程を今回知ったことで、口の中の味わいも、心の受け止め方も大きく変わりました。

「塩にも顔が浮かぶようになりました。」とcayocoさん。

知ることは、「おいしい」と感じるセンサーの感度をより精密にしてくれるよう。新鮮な野菜をおいしい塩でいただくことが、なんて贅沢で、なんて豊かなことなんだろうと。

ちゃんと見てやらんといけない」

あっという間にお皿がからっぽになると、私たちは海辺にある海水を濃縮させる塩田の見学へ移動。プライベートビーチのようなこじんまりした海辺の近くに、二台の大きなポンプが置かれた小屋がありました。

敏樹さんの試行錯誤の上に出来上がった塩田は、キラキラ光の粒を跳ねさせながら、しゃらしゃらと音を立てて海水を循環させます。この工程をくり返すことで、次第に塩分の濃度が高くなってくるのだそう。

眩しそうにポンプを見上げて汗を拭く敏樹さんに、「塩づくりを『好き』って思う理由ってなんですか?」と尋ねてみると、穏やかな笑顔でこう答えてくれました。

「ちゃんと見てやらんといけないからですかね。適当に作ると適当な塩にしかならない。かみさんは、塩の袋詰をする時も嫌な気持ちの時はやりたくないって言います。素直な気持ちにしていたいって。中途半端な気持ちではできないから。」

作り手の寄り添う心が映し出された塩

そしてこれまでの失敗談を、ほんのちょっと悔しさをのぞかせながら笑って教えてくれました。

室温45度の中、10~12時間かけて窯を見守り続ける本炊きの作業を、今日じゃないといけないと思いつつ「他の作業で手が回らんから」と見送ってしまった時は、塩の結晶が大きくなりすぎてしまいゼロからやり直すことに。それまでの工程が全て無駄足となり、振り出しに戻ってしまったことも。

「塩の結晶は作るんじゃなくて育てあげるもの。だからみてやらないかん。」その思いはまるで我が子に向ける情にも似て、愛が滲み出ています。

作り手の寄り添う心が映し出された塩は、驚くほどに優しい味がします。出会ったことがないような、遠い昔に出会ったことがあるようなその優しさ。

これまでの旅を通じて、人の心が食材や料理に映し出されることを、繰り返し繰り返し目の当たりにしてきた私たち。心はこんなにも伝わってしまうものなのか。数値で測ることができないこの事実が、真実であることは間違いありません。

小豆島で作る保存食は
しそのジェノベーゼペースト

この旅は、訪ねた土地の食材をつかった保存食をつくり、それを手にして次の季節、次の土地へとつないでいきます。春の福岡県の旅で作っただいだい酢は、ここ小豆島にやってきてヤマロク醤油さんの醤油と合わさり、だいだいポン酢が出来上がりました。

そして今回、cayocoさんが考えた保存食は、しそのジェノベーゼペースト。旅の案内人でもあり、宿泊もさせていただいているりっちゃんの自宅の庭に、溢れんばかりに大葉たちが咲いていました。

強い日射しに向かって、大きく葉っぱを広げる姿は、元気いっぱい!その姿は、誰かに似ているような…そうだ、家の中を駆け回り、素っ裸で海を泳ぐ、りっちゃんの息子ひなたくんにそっくり。

自給自足を目指して暮らす、りっちゃん家族

りっちゃん家族は、旦那様の福光さん(通称ふくちゃん)と5歳のひなたくんの三人暮らし。8年前に小豆島に移り住み、野菜や米づくりをしながら、ほぼ自給自足を目指して暮らしています。

ふくちゃんは整体師でもあり内装を中心とした大工仕事もしているのだそう。いわば、お家も直せて身体も直せる人。そしてその姿勢はものすごく謙虚。「身体の気づきを得るのは本人がやることであって、気づかせるのもおこがましいって思う。人の邪魔をしないような整体がいいなと思ってる。」

「ここ」にあるものを生かす

旅の最中、どこからか聞こえてくる心地良い音。振り向いてその柔らかな音色を探してみると、遠くを眺めながらあぐらをかいて座るふくちゃんの姿を発見。

手にはガンクドラムという名の、金属製の不用品の底に穴を開けた楽器が。「やかんとかでも作れるよ。断捨離が流行っているけど、自分の周りだけがすっきりすればそれでいいのかって思う。捨てるだけじゃなくて、生かしていければ、人にまわしていければって。」

りっちゃんの台所にずらっと並ぶ保存食。梅を使った保存食も多く、聞いてみるとそれらは放置梅を使っているのだそう。

「ここ」にあるものを生かす。りっちゃん家族のその姿は、「活かす」というより「生かす」。優しくて慎ましく、それでいてエネルギーに満ち溢れていて、そのエネルギーを誰かにも注いでいる。まるで小豆島の夏の日射しのように。

「好き。ああ好き!」

りっちゃんたちの手に渡らなかったら、土に戻るしかなかった梅たちは、この上なく美味しい梅干しに生まれ変わり、朝ごはんや晩ごはんで私たちもいただくことに。「あ~おいしい」とホッとした表情をするcayocoさん。

おむすびの他にも、りっちゃんの手作りのパンは大人にも子どもにも大人気。りっちゃんのパンは元々販売するつもりはなかったところ、友人から売ってほしいと頼まれ、さらに口コミで広まり、今ではイベントに出店したり予約販売をしているのだそう。

味には優劣はなくて、人との相性があるだけ。そんな言葉をこの旅で何度か聞いたけれど、りっちゃんのパンは自分の「好き」に出会えた味。それは、人を照らすような眩しい笑顔と、台所でくるくる無駄なく動くかっこよさと、朝ごはんにおむすびやパンケーキをさっと持たせてくれる優しい心遣いが合わさって、「好き。ああ好き!」に変わったのかもしれません。

「しま」生まれ「しま」育ちの保存食をバトンに

夜にはオレンジ色の電球に照らされて、少し天井の低い居間はきゅっとあたたかさが凝縮されるりっちゃんの家。私たちスタッフと息子たちも夜ごはんを何度か一緒に囲むことに。子どもたちは影絵で遊んだり、ひなたくんのモロごっこ(もののけ姫のモロをまねして四つん這いでひたすら走る)を真似したり。オレンジ色の光の中、子どもたちの熱も加わり、この旅は朝も昼も夜も、どこであっても本当に熱かった。

「ひなたくんはどこで生まれたの?」と誰かが尋ねると「しま!!!」と元気いっぱいのお返事。

りっちゃん家族の庭で元気いっぱいに咲く大葉でつくった「しま」生まれ「しま」育ちのしそのジェノベーゼペースト。これをかければ、どんな野菜も驚くほどに美味しくなる。心と身体に、光がぱあっと照らされたように。

旅はいよいよ終盤へ。このバトンを胸に、この先cayocoさんは何を思い描いていくのでしょう。

「なんどもうるうるしてました。」

思っていた以上にスケジュールが詰まっていた夏の旅。cayocoさんとは滞在先が離れていることもあり、なかなかゆっくり話を聞く時間を取れず、ようやく向かい合えたのは三日目の塩の見学を終えた夜でした。

オリーブ農園の山田さん、ヤマロク醤油の山本さん、塩屋浪花堂の蒲さん。三人のお話を伺いながら、cayocoさんの表情を覗き込むものの、目深にかぶった帽子のせいでなかなか読み取ることができなかったのですが、実は「なんどもうるうるしてました。」とcayocoさん。どうやらあの帽子の下で、こみ上げてくる感情の波を静かに受け止めてみたようです。

生きる力が強い人たちとの出会い

春の旅とは違って、空気や水をそこまで感じ切れてはいないけれども、それ以上に人との出会いが心に大きな影響を与えていたというcayocoさん。

「はじめ、みなさんにメールで連絡をした時は、お忙しいだろうから30分で良いですと言っていたのですが、ものすごい勢いでたくさんお話してくださって。ビジネスとして続けていくことの大事さと、次世代に繋げていく思いなどが見えて、生きる力が強い人たちだと感じました。かっこいいなあって。」

決して理想を語るだけでなく、自己プロデュース能力のようなビジネス的な戦略もしっかり見据えている姿は、私たちも目指したい理想と現実のバランス。きれいごとでは終わっていない、結果も出しているからこそ説得力がある言葉ばかりでした。

調味料も、やっぱり生きている

そして今回の旅のテーマ「調味料が生まれる場所を知る」。オリーブ農園、醤油蔵、塩窯などを見学しながら、cayocoさんはこんなことを感じたそうです。

「調味料は瓶に詰まっていて、生きているって感じたことがこれまでなかったんです。今回作っている人たちの顔を見て、やっぱり生きているなあと。
野菜と違って何年間も一緒に過ごすから、作り手に特別な感情も湧くだろうなと。家族みたいな感覚なんでしょうね。」

山田さんも山本さんも蒲さんも、失敗を何度も積み重ねながら、飽くなきトライアンドエラーを繰り返していることも共通点でした。その姿は、旅がはじまる数日前、5年間立ち続けた「ていねいに、」のお店を卒業したばかりのcayocoさんの心に深く刻まれたようです。

「私もこれまで独学でやってきていて、お店を卒業した後は、一息ついたら修行をしてみたいとか学校に通いたいとか考えていたんです。でも自分の熱量があればいくらでも可能性は広げられるなと思って。

料理は毎日失敗していてそれが経験になって積み重なって一つのケースが生まれていて、その方法で大丈夫なんだという感覚が生まれました。背中を押されたような気持ちです。」

「自分のエネルギーをやれることに拡大していこう」

これまでのcayocoさんの仕事のスタンスは、ふんわりとしたイメージを心に持つと必ず何かがやってくるという、イメージすることの力を信じていたとのこと。けれど今回、それだけではなく何かプラスαでできることがあるのでは、と感じたそうです。

「ご縁がある人たちが幸せになってもらえるように自分のエネルギーをやれることに拡大していこうと。まだまだやれるんだなあと思いました」。

そう答える笑顔に、思わず心が包み込まれるような気持ちになるのは、きっとcayocoさんの内側にある火が私の方へも飛んできたから。なんて強くて、優しい火なんだろう。

テーブルの上が豊かな食事を広めたい

旅の最終日、早朝4時に待ち合わせて向かったのは、西之瀧の山岳霊場で行われる護摩焚き。護摩焚きとは、火を焚いて不動明王の神など神仏の降臨を念じ、人の願いをささげる祈りの儀礼。願いが込められた木の御札を次々に燃やしていき、その火を囲んで約1時間半ほど念仏を唱えます。

cayocoさんが選んだ御札は「先祖供養」。cayocoさんが料理の道を歩む原点にあるのは、これまで何度かお話の中にも出できた、おじいちゃんの存在。

「小さい頃から、家の食卓に並ぶものは、旬の無農薬のお野菜や厳選した調味料でつくったごはん、家庭菜園のお野菜が当たり前のように並んでいましたが、その野菜がどうやって育ち、作られているかを自分の目でみる事でやっと気付けた様な気がします。

『テーブルの上が豊かな食事を広めたい』というのは私と祖父のコラボ企画のようなもので、戦後まもなく無農薬米を作り始めた祖父は私の中にしっかりと種を植えていたようです。やっと花が咲いてきっと喜んでる、というかしめしめ、と思っているでしょう(笑)」

料理は、作った人と食べる人をつなぐ架け橋

旅の終わり、護摩焚きを終えて解散地点まで向かう車の中、旅を振り返るcayocoさんの心には、静かに燃え上がる柔らかな炎が見えました。

「今は自分の信じるがままにやればいいなって明確に感じています。」最後に信じるのは自分自身。けれども自分は決して一人で立っているわけではなく、おじいちゃんといったご先祖様をはじめとした、今回旅をつないでくれたりっちゃんなど周りにいる人たちのご縁がくれたもの。

「だから信じるものは、つながり…なのかな。」ゆっくりと言葉を探しながら、そうつぶやく声は、自分の心にある火を見つめているよう。

旅を終えた後、その小さな炎は心の中で、風に吹かれても消えないほど揺るがないものになった様子。旅を応援してくださった方へお送りするお便りのメッセージでcayocoさんはこう想いを綴っています。

「私の仕事は、ただただ、つなぐだけなんだなあと、腑に落ちてお料理をすることの肩のちからが抜けました。」

料理は、作った人と食べる人をつなぐ架け橋。それは料理家という立場だけでなく、自分や家族のために普段のごはんづくりをしている私たちも同じ。

小さな秘密を明かすと、cayocoさんの本名は「橋野佳代子」。そうか、cayocoさんは橋になるべく人だったんだ。するするとcayocoさんの向こうに繋がる糸が見えたよう。その名に継がれるように、cayocoさんはこれからも橋になって、心を、想いを届けていく。そしていつだって、橋の両側に咲くのはとびっきりの笑顔。

写真:浅田剛司

<完>

 

この特集の目次

  1. 旅のはじまりは、国内初有機オリーブ栽培に成功した小豆島・山田オリーブ園へ
  2. 観光客の声で美味しくなる?ヤマロク醤油の常識の真逆をいく醤油づくり
  3. 「みてやらないかん」の心が映る、塩屋波花堂の驚くほど優しい味の塩

お知らせ

心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。

この記事を書いた人:

「よりそう。」館長。時として編集長に変身し、ライターとして駆け回り、ドローンも飛ばしちゃいながら、訪れるみなさんをお出迎えします。好きな本は、稲葉俊郎『いのちを呼びさますもの』。好きな料理は、さつまいも料理。
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