花 植物の手仕事つぐみさんが制作したドライフラワーのリース、第3弾を発売開始しました。
作家小谷ふみさんの連載「わたしをつくるもの」から受け取った物語の世界を、つぐみさんが花と植物で表現したドライフラワー。今回も、花たちがどんな物語を奏でているのかご紹介したいと思います。
月の光の先にある未来を描く
第3話のタイトルは「花冷えのタクシー」。胸の奥がキュッと締め付けられるような、ほろ苦い失恋の物語がベースとなっています。
つぐみさんの手で紡がれたドライフラワーに映し出されたのは、こんな景色でした。
「青い春、花冷えの花見、その先にはあたたかな春がやってくるということ。その夜のことは月は何もかも見ていて、花冷えのタクシーを照らしている。月の光の先にある未来ということ。」
半円のドームのような形をしたリースは、まあるいお月さまをイメージされているとのこと。
寂しいのにきれい。切ないのに優しい。
ちょっとくすんだ、けれど透き通るような水色のアジサイの花びら。静かな月の光を連想させるような黄色いミモザやクラスペディア。
パッと心を照らすような明るさはないけれど、心にシーンと響く佇まい。寂しいのにきれい。切ないのに優しい。
遠い記憶の中、心が覚えているそんな感覚に触れるようなリースです。
棚やテーブルに置いて飾って楽めるから
リースというと壁に掛ける輪っかの形が定番ですが、棚やテーブルに置いて飾って楽しむことができるので、インテリアとしても、おもてなしの食卓の飾りとしても、暮らしをそっと彩ってくれます。
リースの背面にはワイヤーのひっかけがついているので、壁に掛けて飾ることももちろんできます。
気分や用途によって、簡単に置き換えることができるので、その日の心と暮らしに寄り添ってくれるはずです。
暮らしを静かに照らし続けてくれるリース
小谷さんの物語では、こんな言葉の問いかけがあります。
「戻れるならいつに戻って、その自分になんて声をかける?」
後ろを振り向いて、長い長い道のりを眺めている。もう決して戻ることはできないあの頃を見て、何を想うのか。
まあるいお月さまのように、このリースも手にした人の暮らしを静かに照らし続けてくれるはずです。傷ついたことも、傷つけたことも、忘れたいことも、涙に明け暮れたことも、未来へ繋がっている、と。
どこかピアノのペダルのような柔らかさが。目に止まった花たちは、ふわりと心を包んでくれるのです。
flower:つぐみ
photo:Takao Minamidate
撮影協力:toneri
<つづく・6/5公開>
※このリースは限定一点のお取り扱いとなります。商品ページはこちらよりご覧ください。
お知らせ
心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。