耳で味わう、英語の世界

柔らかな春の陽射しや可愛らしさを想う「たんぽぽ」の、意外な英語名ーdandelion

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「耳で味わう、英語の世界」は今回も映像の特別版でお送りしています。

今回は、”Dandelion” と「たんぽぽ」。
この二つの言葉の響きをよく味わってみます。
Dande-lion・・・ あ、言葉の中に、ライオンがいます。
この言葉の由来は、ギザギザした葉っぱの形が、ライオンの歯に似ているところからきたのだそうで。
音もなんだか固くて、強そうなイメージですね。

一方、「たんぽぽ」。
たん・・・ぽぽ。
なんて可愛い音の響き。まるで春の足音のような。幼いこどものあどけないおしゃべりのような。

ふさふさの黄色い花びら。ふわふわの白い綿毛。
幼い頃から親しんだ、あの、たんぽぽ。
Dandelionとたんぽぽ。こんなにも音のイメージが違う。
同じ植物の名前だなんて、にわかに信じがたいですね。

Dandelionという言葉に最初に出会ったのは、米国の作家レイ・ブラッドベリの “Dandelion Wine”という小説でした。邦題は『たんぽぽのお酒』です。
12歳の少年の夏を題材にしたこの作品。瑞々しい感性で、全身で向き合う、少年の夏の全て。それが、少年のお祖父さんの仕込む、黄金色のたんぽぽのお酒に込められます。夏の光、空気、景色、そしてこの特別な季節が呼び起こす様々な心境が、この一冊にぎゅっと詰まっています。

この本の衝撃は忘れられなくて、Dandelionという言葉には、夏の日差しと、瓶のガラス越しの黄金の色を連想します。

たんぽぽには、いつだって、穏やな春のやさしさを連想するのですが。

イラスト・文・朗読 スタッフ 天野
ピアノ即興 山口美佳


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お知らせ

心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。

この記事を書いた人:

東京都生まれ。思春期に米国NY州で数年間を過ごす。 博物館学芸員アシスタント、外資系企業での職務を経て、現在子育てをしながら、少しずつ文章を書いたり、絵を描いたりしている。
素朴で丁寧な暮らしに憧れ、骨董品や器を見るのが好き。夫の影響でキャンプなどのアウトドアも好き。
英検一級、学芸員資格を持つ。横浜在住。 日常のなかにあるちょっとした美しいもの、ことを、文章や絵にしてお届け担当。普段は妻・母として、夫と長男、長女の四人家族を支えているような、支えられているような。
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