food letters 〜料理家・cayocoさんの食を巡る旅〜

ポートランドの旅のおすそ分け。シンプルなのに美味しいホットパンプキンディップの作り方。

<前回のお話は、こちら

特集「cayocoさんのアメリカ/ポートランドの旅から見える、心も町も動かす食の力」では、西荻窪の「ていねいに、」で優しいごはんをつくっている料理家cayocoさんからお聞きした、食にまつわる旅の風景をお届けしています。今日は、旅を通じて心に残ったレシピを、cayocoさんからご紹介していただきます。


ご紹介するのは「ポートランドのホットパンプキンディップ」

こんにちは。ていねいに、のcayocoです。

今回はアメリカ、ポートランドで出会った沢山のごはんの中から、今もよく作っている「ホットパンプキンディップ」をご紹介します!

アメリカの旅のはじまりが丁度ハロウィンだったのもあって、沢山の南瓜の料理や加工品が印象に残りました。バターナッツのオムレツや、パンプキンビール。南瓜の缶詰やパンプキンスパイスティー。形、色それぞれに色んな種類の南瓜が並び、スーパーの至る所でオレンジ色のパッケージが目にとまります。

その中でも、ポートランドのブリュワリー(ビール醸造所)でサーブされた、シンプルなのに驚く程美味しい「温かいパンプキンディップ」印象的でした。甘い南瓜に何種類かのチーズとスパイスが合わさったペーストです。バゲットや野菜にたっぷりつけていただきます。

◎材料

南瓜 1/4個 (皮を剥いて300g)
水 100ml
グリュイエールチーズ 20g (なければミックスチーズでも可)
クリームチーズ 10g
塩麹 小さじ1/2
シナモン少々
ブラックペッパー 少々
塩 少々

◎作り方

1 南瓜は皮をそいで2㎝角ほどに切ります。

2 切った南瓜と水と塩を少々入れて蓋をして強火にかけます。沸騰したら弱火にして10分蒸し煮にします。焦げそうなら更に水を少し足して下さい。

3 南瓜にお箸を刺してみて、ほろっとしたら火を止め、お鍋の中でマッシャーで南瓜を潰しなめらかにします。もしハンドブレンダーがあれば、ブレンダーで混ぜても良いです。

4 南瓜が熱いうちに、グリュイエールチーズとクリームチーズ、塩麹、シナモン、ブラックペッパーを加え混ぜ合わせます。

5 温かいうちに器に盛りつけ、ナッツとオリーブオイルを回しかけて出来上がりです。

チーズを控えたいという方は、豆腐の味噌漬けを使ってみてください。水切りした木綿豆腐をクッキングペーパーで包み、その上から味噌を塗って2、3日冷蔵庫で寝かせておくだけで簡単にお豆腐のチーズ風が出来上がります。

パンプキンディップのアレンジとしてマカロニをあわせてグラタンにしたり、オリーブオイルでのばしてパスタソースにしても美味しいです。

素材に元気がない時、なにかひと味足りない時
助けてくれる発酵食品

このパンプキンディップは味を再現しようと何度も試してみましたが、中々食べたときの感動が出てきませんでした。はじける様な生き生きとした何かを探していたら、いつも使っている塩麹が美味しさを引き出してくれることに気付きました。日本の発酵食品や保存食に辿り着き、あらためて日本の食材の魅力を感じる事もできました。

もし、素材に元気がない時、なにかひと味足りない時、塩麹、味噌、甘酒などの発酵食品を入れると、生き生きとしたごはんになるかもしれません。ぜひ素材にあわせて自由にアレンジをきかせて、ワクワクと作ってみて下さいね。


「命をいただくというのは、命をつなぐバトンのよう。調理をするとは、全ての命を預かって巡らせる、素晴らしい仕事です。」

そんな想いを胸に、毎日誰かのために優しいごはんを作っているcayocoさん。アメリカの旅のお話から見えてきたのは、どんな土地へ行っても「知ること、食べること、つなぐこと」と丁寧に向き合っている姿でした。

今年の3月からスタートする「food letters」では、cayocoさんが人、土地、食材と出会いながら旅をして、一冊のレシピ本を作ります。春夏秋冬の旅を通じて、cayocoさんが何を知るのか、何を作るのか、何を想うのか、その様子を私たちも追いかけていきます。

この旅は、応援をしてくださる仲間を必要としています。食を大切にすることは、自分を大切にすることで、それは優しく生きることを手助けしてくれるはず。きっと一人一人の小さな想いが集まれば、世界はほんの少し優しいほうへ動いていく。そう信じながら、私たちは旅へ出ます。ぜひみなさまの応援よろしくお願いします!

クラウドファンディングのページはこちらからご覧ください。

この特集の目次

  1. 西荻窪で優しいごはんを作るcayocoさんの、春夏秋冬の旅とレシピを本にするプロジェクトが始まります!
  2. 料理家cayocoさんのポートランドの旅から見える、心も町も動かす食の力
  3. cayocoさんがポートランドで出会った、つくる人の「好き」が伝わってくるごはん。
  4. ポートランドの旅のおすそ分け。シンプルなのに美味しいホットパンプキンディップの作り方。
  5. 「food letters」のはじまりの物語。私たちが旅へ出て、本をつくる理由。
  6. 旅と本のイメージを膨らませる「food letters」のフライヤーができました!
  7. 旅先から届く絵葉書が、ポストに入っていた時の気持ちを。food lettersのInstagram。
  8. 旅を実況中継中!food letters第一弾、津屋崎の旅の様子をお届けします。
  9. food letters第一弾、人との出会いを味わう、津屋崎の旅が始まりました!
  10. 心が大きく踊る、彩り豊かな料理家cayocoさんのごはん
  11. 料理家cayocoさんの旅の原点、ポーランドの自然体な生き方から学んだこととは。
  12. 料理家cayocoさんのレシピ本を作る旅・food letters、春の旅の速報をお届けします!
  13. どんな本とお便りが届くの?クラウドファンディングで応援してくださる方に届けたいもの。
  14. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅 第1話「かわいい」と感じる目と心。そこにはいつだって愛がある。
  15. 人と同じように野菜に対しても、心を大切に置くこと。
  16. 旅先で心に沁み渡る、一日が穏やかに終わることの尊さ。
  17. 知らないって寂しい。知るって嬉しい。だから人は優しくなれる。
  18. 旅の偶然の出会いは、なんでもない風景を忘れることのない景色へと変える力がある。
  19. 料理はこんなにも人の心を伝えてくれる。
  20. 人が人を想う心は見えないけれど、本当はこの世界に溢れている。
  21. 夏は小豆島へ!料理家cayocoさんの、食と人をつなぐ旅「food letters」第二弾が始まります!
  22. 醤油、塩、オリーブオイルの生産地へ。料理家cayocoさんの小豆島の旅のルートをご紹介。
  23. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅・food letters、小豆島の旅の速報をお届けします!
  24. 春夏秋冬の旅のお便りが届く、レシピ本「food letters」の特典付き先行予約が始まりました!
  25. 秋は長野県へ!料理家cayocoさんの、食と人をつなぐ旅「food letters」第三弾が始まります!
  26. 料理家cayocoさんが旅の出会いを届けるfood letters食堂で、旅の追体験を!
  27. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅・food letters、長野の旅の速報をお届けします!
  28. 旅のはじまりは、国内初有機オリーブ栽培に成功した小豆島・山田オリーブ園へ
  29. 観光客の声で美味しくなる?ヤマロク醤油の常識の真逆をいく醤油づくり
  30. 「みてやらないかん」の心が映る、塩屋波花堂の驚くほど優しい味の塩
  31. 「自分が幸せにできる人は見渡せるくらいでいい」長野県佐久の星の坊主さま・こじょうゆうやさんに聞いた、ごきげんな畑の話
  32. 集まった人たちの心でとびっきり美味しいごはんが生まれる。阿智村の森田自然農園の「茗荷祭り」。
  33. ついに最後の旅。冬は島根県雲南市へ!料理家cayocoさんの、食と人をつなぐ旅「food letters」第四弾スタート!
  34. 料理家cayocoさんの食と人をつなぐ旅・food letters、島根の旅の速報をお届けします!
  35. できるかできないかではなく、やるかやらないか。島根県雲南市の妹尾さん家族と過ごす、自給自足の暮らし体験。
  36. 生きる力ってなんだろう。旅で始まったデトックスが教えてくれる、心と体の声。
  37. 料理の心の置き場所を変えた、鶏を絞めるワークショップで学んだ、命のつながり。
  38. 食の根源を教えてもらった島根県雲南市の旅。人も、ごはんも、巡り続けるエネルギー。
  39. レシピ本「food letters」に関する大事なお知らせ
  40. 書籍「food letters」制作・出版元変更のお知らせ

お知らせ

心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。

この記事を書いた人:

「よりそう。」館長。時として編集長に変身し、ライターとして駆け回り、ドローンも飛ばしちゃいながら、訪れるみなさんをお出迎えします。好きな本は、稲葉俊郎『いのちを呼びさますもの』。好きな料理は、さつまいも料理。
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