こんにちは、デザイナーの南舘です。
この連載では、ウェブショップである「よりそう。」が当店に並んではいないけれど、
これまで私たちが見つけた、出会った、心が柔らかくなるモノたちを紹介していきます。
心が動かされる素敵なモノ・コトに対しては、常に目を光らせています。
デザイナーとして仕事に必要なこともありますが、
それ以前にそういった素敵なものに触れることで、ちょっとずつでも毎日の調子が
上向きに方向転換していくことを体感しているからです。
私は、デザインの仕事と同時に歯科医学の勉強、さらに子育てと、
頭のモードの切り替えが激しい毎日を送っています。
そういった日々の隙間に、それら「素敵なるもの」に触れ
リラックスできる場所を無意識に求めているのかもしれません。
ネット上の小さな写真でも十分に癒やされるものを、
さらに体験の度合いを高めて、手元で触れることで
どのような変化が起きていくでしょうか。
鹿児島睦さんのハンカチ
鹿児島 睦さんは福岡をベースに活動されている陶芸作家です。
陶器ではその独特なイラストをモチーフとしたものが非常に有名です。
しかし、鹿児島さんの魅力は陶器もさることながら、どんなプロダクトでも素敵な雰囲気に仕上げてしまうオールラウンダーな造形力にあります。
陶器の他にもファブリック、版画、ポストカード、モビールなどを中心に様々な分野で活躍されています。2016年8月にロサンゼルスのギャラリーで開かれた個展では、このような壁画も描かれています。
https://goo.gl/3glPzP
今回は、そんな鹿児島さんが作ったハンカチをご紹介します。

絵柄は10種類弱あり、どれも素敵で迷ってしまいました。私は花柄のものを購入しました。
実際に手にとってみると、少し薄めの生地で、ほどよいスケ感にぐっときました。
柔らかいコットンの風合いが気持ち良いです。

インドの工場で1枚1枚、手作りで作られています。木版ということで、版の微妙なズレ感などが気持ちよく、美しいです。
こちらでは、このハンカチができるまでの解説をご覧いただけます。
http://zuan-zokei.com/column/handkerchief

子どものお弁当を包むのにもよいですね。

端は角丸です。また、糸でかがってあるだけのシンプルな作りもイラストの雰囲気と調和とれています。
美術館に好きな作家の作品を見に行くこと、音楽フェスで身体を動かすこと、映画館で泣くこと、いずれも心を動かし毎日に弾みをもらせてくれる大切な時間です。アプローチは違えど、毎日触れるものの中にアートを持ち歩くことができたら、それもまた、日常に大きく影響するような、素敵な活動だと思いませんか。
「生活用品を購入する」という行為の中にもアートな体験を求めて、重ねあわせていくことが可能です。
ハンカチは毎日、持ち運ぶもの。手を拭うたびに美しいものに触れることができるとしたら、それは日常に寄り添い、側から日常に小さな弾みをつけてくれる新しい美術館なのかもしれません。
ZUAN & ZOKEI
お知らせ
心がひとりぼっちになった時、そっと言葉で明かりを灯してくれる本、当店オリジナル、作家小谷ふみ著書「よりそうつきひ」が発売となりました(ご購入はこちらから)。 どこか切なくて、寂しくて、愛しくて、ホッとする。なんでもない一日を胸に焼き付けたくなるようなショートエッセイが束ねられた短編集です。読んでいると大切な人の顔が心に浮かんでくる世界が広がっています。